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ジャーナルクラブ

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当科で毎週行われている抄読会の内容を紹介します.

 

2020年2月4日 担当:白井 剛志

Science Advances. 5 (11), eaay1971

Targeting Inflammatory Sites Through Collagen Affinity Enhances the Therapeutic Efficacy of Anti-Inflammatory Antibodies

Katsumata K, Ishihara J, Mansurov A, Ishihara A, Raczy MM, Yuba E, Hubbell JA

担当者コメント

炎症性疾患において、治療薬の効果を増強することは非常に重要な課題である。一つの方法として、炎症領域における細胞外マトリックスを標的とする方法が考慮される。本論文で筆者らは、細胞外マトリックスのコラーゲンを標的とした。コラーゲンは通常であると血漿成分には暴露されないが、炎症部位では血管透過性により血漿成分のアクセスが可能となる。著者らは抗TNFα抗体をdecorin由来のcollagen-binding peptide (CBP) と結合した。CBPと結合した抗TNFα抗体は関節炎モデルの炎症部位に集積し、非修飾の抗TNFα抗体に比して関節炎が有意に抑制された。同様に、CBPを結合させた抗TGF-β抗体は肺線維症において炎症部位に集積し、非修飾抗体に比べて有意に肺の線維化を抑制した。これらの結果から、抗サイトカイン抗体がコラーゲンに結合する事で炎症に伴う関節炎や肺線維症を標的とすることができることが示され、炎症病態に対する新規治療として応用できる可能性が示された。

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2020年1月14日 担当:市川 聡

Science 2019:365;162–68

Enhanced CAR–T cell activity against solid tumors by vaccine boosting through the chimeric receptor

Ma L, et al.

担当者コメント

 キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法は造血器腫瘍への有効性を示され,その開発が進んでいるが,固形腫瘍に対する効果は現時点では限定的と言わざるを得ない.筆者らは今回,固形腫瘍に対するCAR-T効果の増強を目的として,キメラ抗原受容体(CAR)を介したvaccine-boostingの試みをin vivoモデルで示した.まず,両親媒性CAR-T ligand (amph-ligand)を設計し,投与されたamph-ligandがリンパ節を出入りして抗原提示細胞の表面を修飾し,リンパ節の微小環境においてCAR-Tをprimingできることを示した.Amph-ligandによるboostingはCAR-Tの顕著な増殖と機能の多様性をもたらし,正常な免疫能を持つマウスにおける複数の腫瘍モデルで良好な抗腫瘍効果を示した.さらに,CARの種類を問わずamph-ligandによるboostingが可能であること,HLA非拘束性に従来のCAR-TのデザインにおけるCAR-T効果を増強できる可能性を示した.
 CAR-T療法は難治性腫瘍に対する新たな治療戦略として脚光を浴び,様々な腫瘍に対して開発が進んでいるが,まだまだ課題が多い.CAR-Tの固形腫瘍に対する効果が限定的である要因は様々推察されているが,本研究で示されたアプローチは抗原やHLA非依存性にCAR-T効果を安全に増幅できる方法と考えられ,それらの要因の幾つかを解決しうるかもしれない.

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