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TOPジャーナルクラブ > ジャーナルクラブ 2016年

ジャーナルクラブ

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当科で毎週行われている抄読会の内容を紹介します.

 

2016年12月27日 担当:齋藤 慧

Bemitz et al. 2016, Cell.

Hematopoietic Stem Cells Count and Remember Self-Renewal Divisions

担当者コメント

細胞が自身の分裂を数え覚えることは生物の発生、加齢、疾患に深く関わる。筆者らは休止期にある細胞が蛍光発光を長期間保持する系を用いて、マウスの成体期を通じて細胞周期の遅い造血幹細胞の分裂の経過を追跡することに成功した。これにより、老年マウスの造血幹細胞画分において、少数のほとんど分裂しない造血幹細胞が長期骨髄再構築能をもつ造血幹細胞(LT-HSC)のすべての特性を持つことがわかった。この細胞集団は成体期を通じて、追跡可能で対称的な4回の自己複製分裂を行うことで細胞数を増やし、その後休止期に入る。そして5回目の分裂をすると長期骨髄再構築能を失う。筆者らのデータによって、加齢による造血幹細胞画分の変化は細胞分裂の経過に依存することが示された。そしてこれらの結果から、造血幹細胞はそれぞれが自身の細胞分裂の経過記録を蓄積することが示唆された。

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2016年12月13日 担当:鴨川 由起子

Cell, 2016;166:88-101.

Digestion of Chromatin in Apoptotic Cell Microparticles Prevents Autoimmunity

担当者コメント

DNAやクロマチンに対する抗体はSLEでの自己免疫を惹起する。分泌型デオキシリボヌクレアーゼであるDNASE1L3のnull mutation(機能喪失突然変異)やhypomorphic variants(過小形成突然変異)は家族性または散発性のどちらのSLEも引き起こす。以前筆者らはDNASE1L3-deficient mouseがすぐにDNAやクロマチンに対し自己抗体を産生し、SLE様の病態を引き起こすことを報告した(Arthritis Rheum, 2013)。血液循環しているDNASE1L3は樹状細胞とマクロファージから産生され、そのレベルは抗ds-DNA抗体の反応と逆相関する。DNASE1L3はアポトーシスした細胞から放出されるmicroparticleの中のクロマチンを消化(加水分解)することができるユニークな能力を持っている。さらに、DNASE1L3-deficient されたマウスとヒトは血清中のDNAレベル、特に体内に循環しているmicroparticleのレベルを上昇させる。マウスとヒトの自己抗体のクローンとヒトSLE患者からの血清中の自己抗体はどちらもmicroparticleの膜表面上にあるDNASE1L3にセンシティブなクロマチンに結合する。それゆえこの細胞外に存在するmicroparticle関連のクロマチンは自己抗原になる可能性があり、正常な状態ではDNASE1L3によって消化される。
したがって、この免疫寛容のメカニズムの喪失はSLE発症の一因となり、そのメカニズムを修復することがSLEの治療につながると考えられる。

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2016年12月20日 担当:近藤 愛子

Nature. 2016 Nov 7; 539 (7629): 384-389.

CRISPR/Cas9 β-globin gene targeting in human haematopoietic stem cells.

Daniel P. Dever, et al.

担当者コメント

鎌状赤血球症(SCD : sickle cell disease)やβサラセミア等のβヘモグロビン異常症はβグロビン(HBB)遺伝子の変異が原因で、世界中で何百万人もの人が罹患している。患者由来の造血幹細胞を生体外で遺伝子修正し、それを自家移植したところβヘモグロビン異常症を治療できた。この論文で筆者らは、Cas9 RNP(リボ核タンパク質)を結合したアデノ随伴ウイルスベクター(AAV : adeno-associated viral vector)によるCRISPR/Cas9遺伝子編集技術を用いて造血幹細胞のHBB遺伝子において相同組み換えを行った。特に筆者らは、90%以上の目的とする挿入を有する造血幹・前駆細胞分画を精製する濃縮モデルを考案している。彼らはまた患者由来の造血幹・前駆細胞を用いてSCDの原因であるGlu6Val変異を効率良く修正し、その後赤血球に分化させた。その赤血球は成人βグロビン(HbA)mRNAを発現し、(Glu6Val変異を)修正したHBBアリルの転写制御が失われていないことを確認した。
HBB遺伝子座の相同組み換えによる造血幹細胞を標的としたCRISPRに基づいた本論文の遺伝子編集技術は、前臨床研究としてβヘモグロビン異常症に対する次世代治療の発展につながるかもしれない。

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2016年11月22日 担当:加藤 浩貴

Cell 22 Sep 2016: vol. 167, 171-186.

Inhibition of Dihydroorotate Dehydrogenase Overcomes Differentiation Blockade in Acute Myeloid Leukemia

D B Sykes et al.

担当者コメント

急性骨髄性白血病は未だ難治性の血液学的悪性疾患の一つである。その病態の一つに白血病細胞の分化障害がある。 急性前骨髄球性白血病で、白血病細胞の分化を誘導するATRAが奏功することから、他の急性骨髄性白血病においても、分化誘導をする事でより高い治療効果を得られることが期待されるが、その様な効果を持つ化合物は未だ同定されていない。

今回筆者らは、Lysozyme-GFP Knock-in マウスの顆粒球マクロファージ前駆細胞にER (G400V) -HoxA9を挿入し、エストロゲン誘導下で分化障害を惹起可能な細胞株 (Lys-GFP-ER-HoxA9 GMPs) とハイスループットフローサイトメトリー法を用いて、330000以上の化合物に対するハイスループットスクリーニングを行い、HoxA9の過剰発現下でもGMPsの分化を誘導可能な化合物 (C03,C07, ML390 等) を同定した。長期培養によりこれら化合物に対して耐性を獲得した細胞株に対して、網羅的トランスクリプトーム解析及びwhole exome sequencingを行い、ピリミジン合成酵素であるDHODHがこれら化合物の共通のターゲットであることを同定した。ウリジンレスキューが新規化合物による分化誘導を阻害する事かなどから、DHODHによるピリミジン合成を新規化合物が阻害する事が前駆細胞の分化誘導をもたらしていると考えられた。よりバイオアベイラビリティーの高い化合物であるBRQを用いて、白血病モデルマウスでの効果を検証した所、Ara-C及びDoxorubicin投与に併用した場合においても、白血病細胞の分化を誘導し、白血病モデルマウスの予後を改善させる事が確認された。

表現型解析を元に化合物の網羅的スクリーニングを行う手法 (phenotypic high throughput screening) は新規治療薬やこれまで焦点があてられていなかった細胞内機構を発見する際に非常に強力な手法であり、近年注目を集めている。今回の網羅的スクリーニングにより、白血病細胞の分化誘導に関わる新たな酵素DHODHが同定され、DHODHを標的とするBRQは白血病細胞の分化誘導薬として、新たな治療薬の一つとなりうると考えられた。

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2016年11月15日 担当:大西 康

Cell 2016; 167: 1067

Regulatory T Cell Specificity Directs Tolerance versus Allergy against Aeroantigens in Humans

Bacher et al.

担当者コメント

ヒトの制御性T細胞(Treg)の研究において抗原特異性に関しては、これまで十分な解析がなされていない。これは、末梢血中のTregの数が少ないためにヒトの抗原特異的Tregの解析自体が困難であることもその理由の一つであった。BacherらはARTE(antigen-reactive T cell enrichment)という方法を開発し、樺やアスペルギルスなどのAeroantigenをはじめとして、種々の抗原に特異的なTregについての解析を可能にした。興味深いことに、アレルギーを有するヒト由来のTregは機能が障害されているわけではないことが示されている。また、次世代シークエンサーを用いたTCRβの解析によりTregとTh2細胞が異なる抗原を認識していることを示している。パーティクルを形成している抗原はTregにより認識され免疫寛容が成立しやすく、一方で可溶化しやすい抗原はナイーブT細胞に認識され、Th2応答を誘導する傾向が示された。抗原特異的Tregが欠如している抗原に対してTh2応答が誘導されることが、呼吸器系のAeroantigenに対するアレルギーの主たる機序である可能性が示された。こうした知見はアレルギー疾患に対する治療開発においても重要となる。Th2が認識している抗原ペプチドに特異的なTregが誘導されない限り、体内に存在するTregを増やすだけではアレルギーを抑制できない可能性があるなど、これまでの想定とは異なる結果であり、大変興味深い。

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2016年10月18日 担当:武藤 智之

Sci Rep. 2016 Oct 3;6:34440.

Distinct surveillance pathway for immunopathology during acute infection via autophagy and SR-BI.

Pfeiler S,et al.

担当者コメント

急性細菌感染における防御機構に関していまだ未知の部分が存在する。今回筆者らはアポトーシスを起こした免疫細胞やListeria monocytogenesに反応し、脂質交換のメディエーターであるスカベンジャー受容体class B type I (SR-BI) が、マクロファージの貪食機構を活性化、そしてゴルジ体断片により賦活化され、オートファジー反応を開始させることを見出した。このことはSR-BIが細胞膜におけるコレステロール濃度を局所的に増加させ、細胞の増殖やゴルジ体での脂質ドメインを産生していることからも裏付けられる。SR-BIは肝臓や脾臓での急性細菌感染におけるbeclin-1依存性オートファジーの鍵となる存在である。またオートファジーは好中球の組織への浸潤を制御し、Ly6C陽性(炎症性)マクロファージの集積を抑制させ、感染巣中心部での肝細胞のネクローシスを防止する。しかし病巣周囲でのLy6C陽性あるいは陰性マクロファージは影響を受けない。このことは感染巣中心部において主に制御・機能していることを示唆している。SR-BI誘発性オートファジーはアポトーシスを起こした細胞や死細胞排除を促進するが、バクテリアの隔離やインフラマソーム活性化にほとんど影響を与えず、免疫反応に惹起された障害を主に中和する。したがってSR-BI/オートファジー系は、急性感染において選択的に免疫誘発性障害を予防するサーベイランス経路を促進すると考えられた。以上より感染に関連した免疫病理の制御は一定の防御機構に基づいていることが示唆された。

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2016年9月20日 担当:藤原 亨

Nature. 2016 Aug 15;537(7619):239-243. doi: 10.1038/nature19346.

The long non-coding RNA Morrbid regulates Bim and short-lived myeloid cell lifespan.

Kotzin JJ, Spencer SP, Henao-Mejia J, et al.

担当者コメント

好中球、好酸球、単球は感染防御において重要であるが、一方で各種の炎症性疾患の病態にも関連しうる。そのため、これらの細胞の寿命(lifespan)の制御は両者のバランスを取る上で重要であるが、その機構については不明な点が多い。

著者らは、既報のRNA-seqデータの解析より好中球、好酸球、単球に高発現している新規のnon-coding RNAであるMorrbid (MyelOid Rna Regulator of Bim-Induced Death)に着目した。Morrbidノックアウトマウスの解析においては、末梢血中の好中球、好酸球、単球が著減し、その機構としてはMorrbidがアポトーシス関連遺伝子Bimの抑制を介している機序が示された。一方、Morrbidの発現誘導に関わる分子機序の詳細は未だ不明であるもののIL-3、IL-5、GM-CSFなどのサイトカインの存在が重要であることが示された。

以上より、Morrbidは各種炎症性疾患や特発性好酸球増多症の病態の理解の一助になるとともに治療標的にもなりうる可能性が示唆された。

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2016年9月13日 担当:藤井 博司

Nature 536, 215, 2016

Tumor-cell-induced endothelial cell necroptosis via death receptor 6 promotes metastasis

Stilic B et.al.

担当者コメント

細胞死の機序として、生化学的な反応に依存しないnecrosisと、caspaseに依存するapoptosisが従来提唱されてきた。近年、これら2つに加えて、細胞内酵素反応に依存するnecrosis(necroptosis)の機序が新たに提唱された。このnecroptosisはRIP kinase依存性であり、RIPK inhibitorであるNecrostatin-1で抑制される。

転移とは、腫瘍細胞が循環系を通して全身に広がり、遠隔臓器に生着、増殖することを言い、複雑な多段階の過程より成り立っている。血中を移動する癌細胞は脆弱なままであるが、その癌細胞が他の臓器に転移できるかどうかは血管内皮のバリヤーを通過できるかどうかに依存している。腫瘍細胞のextravasationが分子レベルでどのように調節されているかについては不明な点が多い。本論文では、まず腫瘍細胞が血管内皮細胞のnecroptosisを誘導し、そのことにより腫瘍細胞はin vitroでは血管内皮細胞層を通過し、in vivoでは転移をすることが示された。また、細胞死を誘導するレセプターのスクリーニングにより、この反応は血管内皮上のdeath receptor 6 (DR6)と腫瘍細胞上のamyloid precursor protein (APP)により引き起こされることが明らかになった。このDR6-mediated necroptotic signaling pathwayは癌の転移に対する新たな治療標的となる可能性がある。

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2016年7月12日 担当:市川 聡

Science. 2016;352:227-231

MYC regulates the antitumor immune response through CD47 and PD-L1

Casey SC, et al.

担当者コメント

がん遺伝子MYCは多くの腫瘍において過剰発現していることが知られ,腫瘍の増殖,形質転換,アポトーシス抑制など様々な側面において機能している.著者らは以前,マウスモデルにおいてMYCの活性化が腫瘍組織内への免疫細胞のリクルートを抑制することを報告しており(Cancer Cell. 2010;18:485–98),今回の報告では,MYCが二つの重要な免疫チェックポイントであるCD47(自然免疫応答に対して“don’t eat me”シグナルを提示)およびPD-L1(獲得免疫応答に対して“don’t find me”シグナルを提示)の発現を制御していることを示した.マウスおよびヒトの腫瘍モデルにおいてMYC抑制はCD47,PD-L1のmRNAおよび蛋白レベルでの発現低下を惹起した.MYCは様々な遺伝子を増幅する転写因子であるが,ChIP-Seq解析によりCd47およびPd-l1遺伝子のプロモーター領域に直接的に結合することが示された.マウス腫瘍モデルにおいてMYC不活性化はCD47,PD-L1の発現低下,そして抗腫瘍免疫効果の増強をもたらした.対照的に,CD47あるいはPD-L1を強制発現させた腫瘍においてはMYCを不活性化させても免疫応答は抑制されたままで,腫瘍増殖の抑制は得られなかった.これらのことから,MYCは免疫制御分子の制御を通じて腫瘍発生及び維持に大きく関与していることが示された.本研究は,MYCの過剰発現を伴う腫瘍において免疫チェックポイントの抑制が有望な治療戦略となり得る可能性を示している重要な報告と思われる.

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2016年7月5日 担当:長谷川 慎

Blood. 2016 Jun 23. pii: blood-2015-08-662783. [Epub ahead of print]

T-cell defect in diffuse large B-cell lymphomas involves expansion of myeloid derived suppressor cells expressing IL-10, PD-L1 and S100A12.

Azzaoui I, Uhel F, Roussel M, et al.

担当者コメント

びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)においては、末梢血中の単球数および好中球数は独立した予後因子であることが知られている。これらの細胞の中には、T細胞の反応を抑制する能力を持つmonocytic/granulocytic myeloid derived suppressor cells (M- / G-MDSC) が含まれている。MDSCはヘテロな集団であり、炎症や感染症のみならず、多発性骨髄腫や慢性リンパ性白血病、DLBCLなどの悪性腫瘍においてもその存在が認められている。しかし、そのメカニズムに関しては未だ不明な点が多い。

今回筆者らは、DLBCLにおけるMDSCの存在と免疫抑制の機序について幅広く評価を行った。まず始めにDLBCL患者の末梢血における遺伝子発現プロファイル解析を行い、DLBCL患者で骨髄系細胞が持つ免疫抑制遺伝子の発現が上昇していることが確認された。その結果に基づき行われたDLBCL患者66人を対象とする調査では、患者末梢血中におけるG-MDSCとM-MDSCの増加が認められた。興味深いことに、DLBCLの国際予後指数(IPI)、無イベント生存率(EFS)、および患者末梢血中の制御性T細胞(Treg)数と相関があったのは、2種のMDSCのうちM-MDSCのみであった。また、抑制されていたT細胞の増殖能は単球の除去により改善すること、骨髄系細胞によるT細胞の抑制にはIL-10・S100A12の産生、およびPD-L1発現の上昇が関与していることも明らかになった。

今回の研究により、DLBCL患者でMDSCが増加していることだけでなく、DLBCLにおける免疫抑制の新たなメカニズムも発見することができた。

 

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2016年6月21日 担当:城田 祐子

Nat Immunol. 2016 Jun;17(6):656-65. doi: 10.1038/ni.3421.

Arginase 1 is an innate lymphoid-cell-intrinsic metabolic checkpoint controlling type 2 inflammation.

Monticelli LA, Buck MD, Artis D, et al.

担当者コメント

自然リンパ球 (ILC) の1つのILC2細胞は, 肺組織に豊富に存在し, タイプ2サイトカイン(IL-5, IL-13など)を発現し,寄生虫感染やアレルギー反応に重要な役割を示す. MouseやHuman ILC2は, 肺の炎症時にarginase1(Arg1)を産生することを特徴とする. ILCの内因性Arg1を抑制させると, ILC2の増殖や, サイトカイン産生が抑制され, タイプ2の炎症が抑えられる. Arg1の酵素活性を抑えると,Arginineの代謝系が変化し, ILC2の代謝系が正常に働かなくなる.具体的には, polyamineの合成や抑えられ、細胞増殖が抑制されることや, 好気的解糖系が抑制されることなどである. この論文で示されたのは, Arg1はILC2の生体エネルギーにおける,重要な役割を持ち, 細胞増殖や, タイプ2炎症反応をコントロールしている. Humanにおいても, COPDやIPの肺組織でArg1の産生亢進やarginineの代謝異常が知られており, ILC2の役割を解明していくことが期待される.

 

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2016年6月7日 担当:白井 剛志

J Exp Med. 2016 May 2;213(5):697-713. doi: 10.1084/jem.20151876.

Oxidized mitochondrial nucleoids released by neutrophils drive type I interferon production in human lupus.

Caielli S, Athale S, Pascual V, et al.

担当者コメント

核酸に対する自己抗体と1型IFNの亢進はSLEの特徴とされる。本グループは以前に、TLR7アゴニスト自己抗体に反応したSLE好中球がIFNを誘導するDNAを放出することを報告したが、今回そのDNAがミトコンドリア由来であることを報告した。さらに彼らは、健常人由来の好中球がミトコンドリアの傷害によりミトファジーを起こさない代わりにミトコンドリアDNA(mtDNA)を含む内容物を細胞外に放出することを報告した。酸化mtDNAは直接ライソゾームで分解されるが、これにはリン酸化によるTFAM(transcription factor A mitochondria)のDNAからの解離が必要となる。SLE好中球またはIFN処理された健常人好中球を抗RNP自己抗体と反応させることでTFAMのリン酸化が阻害され、これによりTFAMがmtDNAから解離できなくなる。結果として酸化されたmtDNAがミトコンドリア内に集積、細胞外に放出され、pDCからのIFN産生を誘導するというモデルを提唱している。ヒトSLEにおいて好中球のミトコンドリア内に酸化した核酸が存在し、酸化mtDNAに対する自己抗体も検出された。SLEにおいて、自己抗体が好中球のミトコンドリアにおける核酸酸化を介してIFN産生を誘導することを示した興味深い論文である。

 

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2016年5月31日 担当:齋藤 慧

Nat Med. 2016 Apr;22(4):379-87. doi: 10.1038/nm.4062.

PTEN opposes negative selection and enables oncogenic transformation of pre-B cells.

Shojaee S, Chan LN, Müschen M, et al.

担当者コメント

PTEN(phosphatase and tensin homolog)は、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)およびプロテインキナーゼB(AKT)シグナル伝達経路の負の調節因子であり、多種類のがんで強力な腫瘍抑制因子として働いている。

筆者らは、プレB細胞型急性リンパ芽球性白血病(ALL)でのPTENの腫瘍抑制的な役割を検証するために、プレB ALLのマウスモデルで Pten のCreによる欠損を誘導した。他のがんで腫瘍抑制因子として働くのとは対照的に、 Pten の欠失はプレB ALL細胞の速やかな細胞死を引き起こし、また白血病細胞レシピエントマウスでの移植細胞の排除に十分であった。ヒトプレB ALL細胞でPTENを小型分子によって阻害すると、AKTの過剰活性化、p53腫瘍抑制因子細胞周期チェックポイントの活性化と細胞死が起こった。プレB ALL細胞でのPTEN機能の喪失は、自己反応性プレB細胞受容体シグナル伝達の急性活性化(自己反応性B細胞除去のための欠失チェックポイントを作動させる)と機能的に同じ結果をもたらした。

筆者らは、PTENを標的とした阻害とAKTの過剰活性化が、自己反応性B細胞除去のためのチェックポイントを作動させ、これはヒトALLで薬剤耐性に打ち勝つための新たな戦略になると考えている。

 

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2016年5月24日 担当:近藤 愛子

Sci Transl Med. 2016 May 11;8(338):338ra67. doi: 10.1126/scitranslmed.aaf3006.

Delayed globin synthesis leads to excess heme and the macrocytic anemia of Diamond Blackfan anemia and del(5q) myelodysplastic syndrome.

Yang Z, Keel SB, Abkowitz JL, et al.

担当者コメント

Diamond Blackfan anemia(DBA)とdel(5q)染色体異常を伴う骨髄異形成症候群(5q- MDS)は重度の大球性貧血を呈する。いずれの疾患もリボソーム会合の低下と関連しているが、なぜ貧血を生じるのかは不明である。

筆者らはDBA患者(n=3)と5q- MDS患者(n=6)の骨髄細胞を培養し、ヘム(toxic chemical)とグロビン(protein)がどのように調整されているか解明した。ヘム合成は正常に進行するが、グロビンの翻訳は緩徐に開始することを明らかにしている。この結果、初期の赤血球前駆細胞でグロビン蛋白の不足、ヘムの過剰、ROS(活性酸素)の過剰を来し、CFU-E/前赤芽球proerythroblastが細胞死を起こす。より迅速かつ効率的にヘムを排出できる細胞やヘム合成を遅らせることができる細胞は選択的に生き残り、正常に成熟する。

これらの結果と一致して、10µMサクシニルアセトン(ヘム合成の特異的阻害剤)を加えるとDBAと5q- MDS骨髄培養細胞の赤血球産生は68%から95%に改善する。

本研究では、ヘムがグロビン合成を上回ると赤血球造血が上手くいかないことを明らかにした。ヘム合成を抑制、またはヘム輸送を促進する治療が、DBAや5q- MDS患者、更には他の大球性貧血の赤血球造血を改善するかもしれない。

 

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2016年5月17日 担当:鴨川 由起子

Sci Rep. 2015 Dec 3;5:17485. doi: 10.1038/srep17485.

A new sensitizer DVDMS combined with multiple focused ultrasound treatments: an effective antitumor strategy.

Xiong W, Wang P, Wang X, et al.

担当者コメント

Photodynamic therapy(PDT)(光線力学療法)とSonodynamic therapy(SDT)(音響力学療法)は固形癌の新しい補助療法として発達してきた。光感受性物質がporphylin類やその誘導体が癌細胞に特異的に集積することが知られており、その中でもphotophyrinは光照射により活性酸素を発生し癌細胞が破壊される。PDTはphotophyrin投与後に癌細胞に集積したところで色素レーザーを照射し、発生した活性酸素で癌細胞を破壊する治療である。非侵襲的ではあるが深部組織まで光が届かないことと光感受性物質が皮膚組織内に蓄積し、日光過敏症を引き起こすことがデメリットである。

SDTはPDTの欠点を軽減するために体内深部の癌にも適用できるように超音波を用いて超音波感受性物質を励起し、またその感受性物質を癌特異的に集積させることで抗癌作用を発揮する治療である。光線過敏症の副作用が起こらない。

今回のstudyでは新規の感受性物質(sinoporphylin = DVDMs)と音響力学療法のcombination therapyがin vitroでもin vivoでもsarcoma180細胞の治療に効果的なことを証明した。

SDTとDVDMsのcombination therapyはin vitroでもin vivoでもSDT単独と比較してsarcoma 180 細胞のアポトーシスの誘導を促進し、細胞増殖や血管新生の誘導を抑制することが分かった。combination therapyを行ったsarcoma 180 細胞を移植したマウスの組織でもangiogenesisのマーカーであるVEGF のlevelやcell migrationのマーカーであるPCNAのlevelがSTD単独よりも低かった。

またこのcombination therapyは明らかな副作用がなく、マウスの体重を低下させることもなかった。SDTとDVDMsのcombination therapyは今後固形腫瘍の有効な治療方法の一つとなりうる。

 

 

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2016年5月10日 担当:加藤 浩貴

Nat Genet. 2016 May;48(5):569-74. doi: 10.1038/ng.3535.

Recurrent DUX4 fusions in B cell acute lymphoblastic leukemia of adolescents and young adults.

Yasuda T, Tsuzuki S, Mano H, et al.

担当者コメント

血液学的悪性疾患の病態解明は近年急速に進んできているが、未だ不明な点も多い。これら血液学的悪性疾患の本態は遺伝学的異常にあるとの考えから、最近、次世代シークエンス技術を用いた網羅的スクリーニングにより遺伝学的異常を同定しようという試みが急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群等に対して行われ、多数の新規病因候補遺伝子が同定されてきた。今回筆者らは73名のPh陰性思春期・若年成人急性リンパ性白血病 (acute lymphoblastic leukemia in adolescent and young adults; AYA-ALL; 15-39 years old) 検体の骨髄単核球を用いたRNAシークエンス解析を行い、DUX4、ZNF384、MEF2Dなどの融合遺伝子を同定し、これらの融合遺伝子がAYA-ALLの病態形成に関与する可能性を提起した。さらに興味深いことに、本解析により得られたデータをクラスタリング解析したところ、Ph陰性AYA-ALLの中にもPh-likeの遺伝子発現様式を示すものとNon-Ph-likeの遺伝子発現様式を示すものが認められ、Ph-likeのもので有意に予後が不良であることが示された。また、DUX4融合遺伝子、ZNF384融合遺伝子をもつ症例の予後が良好である可能性が示唆された。AYA-ALLの治療法決定において予後予測は非常に重要で、より精度の高い予後判定法の確立が求められているが、本研究からは今後患者検体を用いた次世代シークエンス解析が実臨床においても重要な予後判定法の一つになりえる可能性が示唆された。

本研究を含め、これまでの患者検体を用いたコホート解析はBulk検体に対する解析であり、存在が想定されているがん幹細胞での異常や、ITH (intratumor heterogeneity) に関する解析には限界がある。しかし、既にsingle cell RNA シークエンス解析が可能となり、今後single cell DNAシークエンス解析が現実のものとなれば、さらなる血液学的疾患の病態解明や新規治療法の開発、オーダーメイド治療の発展に対し、次世代シークエンス技術がより大きな役割を果たしていくものと考えられ、近い将来実臨床にも応用されることが期待される。

 

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2016年4月26日 担当:大橋 圭一

Cell Stem Cell. 2016 Apr 7;18(4):495-507. doi: 10.1016/j.stem.2016.03.005.

SIRT6 Controls Hematopoietic Stem Cell Homeostasis through Epigenetic Regulation of Wnt Signaling.

Wang H, Diao D, Ju Z, et al.

担当者コメント

本研究でヒストン脱アセチル酵素であるSIRT6はWnt-target geneの転写制御を通してHSCの恒常性を維持していることが示唆された。SIRT6欠損によりWnt-target geneのH3K56のアセチル化が促進し、Wnt-target geneの転写が活性化した。それによりHSCの増殖の活性化と造血機能の低下を示した。具体的にはマウス実験においてSIRT6欠損マウスでBM細胞数は変化しなかったがLSK細胞数の増加を認めた。また、competitive transplantationの実験でCompetitor cellと比してSIRT6欠損ドナーの末梢血細胞、骨髄細胞LT-HSCの割合の低下を認めた。

Wnt pathway とHSCの自己増幅能と維持の関連については既報にあるが、今回、Wnt-target geneのエピジェネティックな制御によりHSCの恒常性が保たれていることが示唆されたのは初めての報告である。

 

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2016年4月12日 担当:大西 康

Nat Med. 2015 Jun;21(6):591-600. doi: 10.1038/nm.3856.

Metabolic regulation of hepatitis B immunopathology by myeloid-derived suppressor cells.

Pallett LJ, Fusai G, Maini MK, et al.

担当者コメント

HBV感染では強い肝障害を起こすことなくHBV複製が起こることもあれば、免疫関連の強い炎症による肝障害が起こることもある。この違いにはmyeloid-derived suppressor cells (MDSC)によるT細胞抑制が関連する。HBVが増幅する急性期にはgranulocytic MDSCが一過性に増加するが、逆に肝臓の障害(HBV感染肝細胞への免疫応答)が強くなる少し前にはMDSCが減少する。免疫応用を回避してHBVの複製が許される状況ではarginaseを発現するMDSCとarginase濃度の上昇がみられる。このとき、L-arginineは低下している。gMDSCは肝臓へホーミングするケモカイン受容体を発現し、肝臓に多く集まる。これはhepatic stellate cells (伊東細胞)により支持される。gMDSCのT細胞抑制の一部はariginase依存的である。L-arginineが低下した環境ではT細胞は必要な栄養素を取り入れるためのトランスポーターを高発現して、代謝系のリプログラミングを行っている。これらの所見は、arginase発現granulocytic MDSCはHBV感染に伴う肝臓での免疫応答による障害を制御していることを示している。

 

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2016年3月8日 担当:藤原 亨

Cell. 2016 Feb 11;164(4):770-9. doi: 10.1016/j.cell.2016.01.011.

Precision Tumor Recognition by T Cells With Combinatorial Antigen-Sensing Circuits.

Roybal KT, Rupp LJ, Lim WA, et al.

担当者コメント

近年、がん治療においてキメラ抗原受容体発現T細胞療法(Chimeric antigen receptor-T cell: CAR-T)が注目されている。本療法は、がん抗原を特異的に認識するCARを患者から採取したヘルパーT細胞および細胞障害性T細胞にウイルスベクターを用いて発現後、再び患者の体に戻し、T細胞のもつ抗腫瘍活性により治療効果を発揮させる。従来のがん免疫療法と異なり、CAT-T療法は免疫反応に必要なHLAを介さず直接がん抗原に対して抗原提示が可能であるため、がん細胞の免疫回避機構を無効化することが期待さている。

CAR-T療法が注目を浴びたのは、再発・難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)に対して著効を示した報告が大きなきっかけとなった (NEJM 2011)。しかしながら、CD19を標的としたCAR-T療法によりCLL細胞を著減させたものの、CD19を発現する正常B細胞も標的となるため、低ガンマグロブリン血症も長期間にわたり認められた。このように、がん細胞のみに特異的な抗原はまれであるため、CAR-T療法においては正常組織への影響を完全に除去しきれない点が問題であった。

そこで著者らは、synNotch(synthetic Notch)というシステムを用いて、複数の抗原を組み合わせることにより、より特異的にがん細胞を認識するという方法に着目した。synNotchはNotch受容体の一部を改変させた人工レセプターであり、これを用いて1つの細胞表面抗原のインプットにより、別の抗原を認識するCARの発現を制御するというシステムを構築し、in vitro、in vivoの解析を通じて論文内でその妥当性を示した。

実際のCAR-T療法に応用させるまでにはさらなる検討が必要であるが、低分子化合物を用いたon-offの制御の可能性やさらにCAR-T療法以外の細胞分化誘導や大規模スクリーニングへの利用などsynNotchシステムの応用範囲は幅広いものと思われる。

 

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2016年2月2日 担当:長谷川 慎

Nature. 2016 Jan 20. doi: 10.1038/nature16500. [Epub ahead of print]

Mitofusin 2 maintains haematopoietic stem cells with extensive lymphoid potential.

Luchsinger LL, de Almeida MJ, Snoeck HW, et al.

担当者コメント

造血幹細胞(HSC)はすべての血球系細胞の産生を支えており、ATP産生を解糖に依存しているが、これまでミトコンドリアの果たす役割に関しては注目されてこなかった。今回筆者らはマウスを用い、HSCの重要な制御因子であるPrdm16が、ミトコンドリア融合およびミトコンドリアと小胞体との結合に寄与するタンパク質であるmitofusin 2 (Mfn2) を誘導することを示した。単一細胞移植実験を含めた過剰発現およびノックアウト実験により、Mfn2はリンパ球系への強い分化能を持ったHSCの維持には必須の因子であるが、骨髄系への分化能を持つHSCにとっては必須でない、もしくはあったとしてもごくわずかな影響しか持たないことが明らかになった。Mfn2は小胞体とミトコンドリアの結合を活性化することにより細胞内カルシウム濃度の緩衝作用を増強し、nuclear factor of activated T-cells (Nfat) の核内移行と転写活性を抑制している。Nfatを阻害するとHSCにおけるMfn2ノックダウンの効果が打ち消されることから、リンパ系への分化傾向を持つHSCの維持においては、Nfat2による負の調節作用がMfn2の持つ最も重要な下流機構であることが分かった。このようにミトコンドリアはHSCにおいて重要な役割を担っている。これらの知見はHSCクローンの不均一性をもたらす機序を説明することができ、移植後にHSCを望む系統へと分化させる技術をもたらす可能性がある。

 

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2016年1月19日 担当:城田 祐子

Nat Immunol. 2016 Jan;17(1):76-86. doi: 10.1038/ni.3309.

Interferon and IL-27 antagonize the function of group 2 innate lymphoid cells and type 2 innate immune responses.

Moro K, Kabata H, Koyasu S, et al.

担当者コメント

自然リンパ球 (ILC) は, 2010年にKoyasuらのグループにより発見され,最近5年間で注目されている.マウスの脂肪組織内のリンパ組織FALC(fat-associated lymphoid cluster)に存在し,リンパ球系細胞であるが,抗原特異性に反応せず,B,T細胞受容体を発現しない. ILCは皮膚,肺,小腸などに存在し,局所免疫反応に関与し,感染やアレルギー,創傷治癒に対し防御的に働く. ILCsは3タイプあり(ILC1, ILC2, ILC3)それぞれTH1, TH2,TH17に類似した,転写因子や免疫反応を示す. 今回筆者らは,ILC2細胞がタイプ2サイトカイン(IL-5, IL-13など)を発現し,寄生虫感染やアレルギー反応に重要な役割を示すことを示した. ILC2は局所組織内で増殖し,炎症時に他臓器へ遊走しない.IFNとIL-27はSTAT1依存的に,ILC2機能を抑制する. IFNγはresident ILC2を抑制する.生体においてIFNの抑制機構が働かないと局所の炎症が遷延してしまう. アレルギー反応において,IL-27はresident ILC2を抑制するが,resident Th2は抑制しない.筆者らは,ILC2による炎症の誘発と,IFN,IL-27による炎症の抑制機構を理解することが,免疫療法やワクチンの開発につながるであろうと述べられている.

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2016年1月5日 担当:近藤 愛子

EMBO Rep. 2016 Feb;17(2):249-65. doi: 10.15252/embr.201541465.

Mechanism governing heme synthesis reveals a GATA factor/heme circuit that controls differentiation.

Tanimura N, Miller E, Bresnick EH, et al.

担当者コメント

金属イオンを含む高分子は、進化系統樹のすべての過程で重要な役割を担っている。例えば、ヘムは酵素触媒作用や電子輸送における補因子であり、ヘモグロビンの不可欠な構成要素である。赤血球においてヘモグロビン需要を満たすため、細胞特異的因子GATA-1はヘム合成の律速酵素をコードするAlas2の転写を活性化する。
ヘム合成を制御するメカニズムを解明するため遺伝子改変技術を利用し、筆者らは赤芽球系細胞のトランスクリプトームを形成するGATA因子依存性、ヘム依存性の経路を発見した。
CRISPR/Cas9によりAlas2イントロン領域の2つのシスエレメントを切断すると、Alas2の転写、ヘム合成、さらには赤芽球系トランスクリプトームの他のGATA-1制御因子までもが大きく低下した。
Alas2シスエレメントの変異細胞で5-ALAを投与すると、ヘム合成とGATA-1依存性遺伝子ネットワークは回復した。
ヘムはBach1(ヘム感受性転写抑制因子)の抑制またはBach1非感受性のメカニズムによってGATA-1の機能を増幅する。この2つのメカニズムによって、ヘムとGATA-1は連携して、細胞分化を促進する細胞特異的転写プログラムを制御する。

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