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教授挨拶

写真  私たちの教室では名前で示されるように血液疾患、自己免疫疾患に関する診療、研究を行っています。私たちが取り扱う血液疾患、自己免疫疾患は、単一の臓器ではなく全身の臓器が侵されるため、病態は時に複雑であり、その把握や管理は決して容易ではありません。さらに、これらの疾患は、診断から治療まですべての行程を内科医自身が行わなければならない疾患であり、血液・免疫専門医は優れた総合内科医であることが要求されます。また、血液・免疫領域は最新の基礎研究が治療薬となって応用される最先端の領域です。治療の手段が抗がん剤やステロイド剤だけといった時代ではなくなりました。毎日のように生物製剤や分子標的薬といった、これまでとはまったく違う種類の治療薬が開発され、病気の本態に対するピンポイント攻撃が可能となりました。造血幹細胞移植も前処置や移植ソースが多岐に渡るようになり、適応がどんどん拡大されてきています。総合内科医であると同時に、このように高速で進化する治療薬、治療法を使いこなす専門医であることは決して楽なことではありません。ですが、新しいアイディアで創られた最新の薬を日々手にすることができる血液・免疫領域の臨床は新鮮でエキサイティングであり、血液・免疫専門医は、医療の最先端を走っていることに誇りを持っています。

 もう一つ、私たちには、臨床と同じくらい大事な、研究という使命があります。未来の多くの患者さんを助けることができる新しい治療法を作り出すこと、いわば将来の医療に貢献することは、私たち血液・免疫専門医の義務といえます。そのためには、臨床で持った疑問を研究者として解き明かすこと、あるいは臨床で必要な新しい治療の土台を研究者として構築することが求められています。幸い、血液疾患はその発症メカニズムが分子生物学的に最も解明されている疾患であり、その研究成果が治療に最も反映されている疾患でもあります。また、自己免疫疾患は、自己と非自己の認識システムが破綻することで発症する疾患であり、その免疫細胞を解析することによりヒトの免疫を考察することが可能です。つまり、私たちの診療領域は研究室のベンチと臨床のベッドサイドが一体となった領域であり、自らヒトにおける未解明の生理現象を明らかにすることができるとともに、その成果を未来の新しい治療法に直接生かすことができる領域といえるのです。これまで私は血液内科医としてキャリアを積み、研究では造血・間葉系幹細胞、赤血球造血をテーマとして進めてまいりました。現在、当教室にはこれらの分野に限らず、造血器腫瘍の発症メカニズム、移植免疫、自己抗体の産生メカニズムなどさまざまなテーマで研究を進めているスタッフがいます。

 血液・自己免疫疾患の臨床を極めたい、最新の薬を使ってみたい、血液・免疫分野の研究で世界をリードしたい、どんな動機でも興味でも結構です。血液学・免疫学を志す新しい仲間を待っています。