対象疾患
血液疾患 | | | リウマチ・膠原病(自己免疫疾患)、関節疾患 | | | 診療実績 |
血液疾患
1.造血器腫瘍
急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、骨髄腫などの造血器腫瘍に対し、化学療法に加え、分子標的療法、造血幹細胞移植といった最新の治療法を用いて、治癒を目指した治療を行っています。 臨床研究についても日本成人白血病研究グループ(JALSG), 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)というわが国を代表する研究グループに参加するだけでなく、当科主体の臨床研究も積極的に行っています。
2.良性血液疾患
各種の貧血(再生不良性貧血、溶血性貧血、先天性貧血等)、特発性血小板減少症、血友病他の出血しやすい病気についても、幅広く診療を行っています。
3.造血幹細胞移植
当科では各種の白血病、再生不良性貧血、悪性リンパ腫、骨髄腫らの血液疾患について造血幹細胞移植を年間30-40例実施しています。 自分自身の、あるいは家族の方から、更には骨髄バンクや臍帯血バンクより適切な造血幹細胞を求め、提供を受けています。 高齢者、臓器障害を持つ患者さんのためには骨髄非破壊的移植も実施しています。特に当科の特徴として臍帯血移植を積極的に行っていることが挙げられます。最近の同種移植の造血幹細胞ソース別では、臍帯血移植が約5割です。成績についても、当科での骨髄破壊的臍帯血移植は、今のところ骨髄移植にほぼ匹敵する成績です。臍帯血移植は、重症GVHD(移植片対宿主病:臍帯血由来のリンパ球が患者さんのからだを攻撃する反応)が少なく起きてもコントロールしやすいため、移植後のQOL(生活の質)がよいのも特徴です。また、他科との連携を密に行い、統合的に患者さんの治療にあたるよう努めています。移植にあたっては、不安や抑うつ、せん妄、不眠など精神的な問題が生じることも多く、精神科リエゾン(定期的病棟ラウンド)をお願いしています。慢性下痢の症例などで、西洋医学的アプローチで症状の改善に限界がある場合、希望により当院鍼灸漢方外来との併診を行っています。さらに、移植や化学療法では感染症対策が重要ですが、本院の賀来教授ら感染症制御チームの全面的なサポートの下でその管理に当たっています。
リウマチ・膠原病(自己免疫疾患)、関節疾患
関節が腫れて痛んだり発熱が続く場合は関節リウマチあるいはその他の膠原病(全身性エリテマトーデス、 混合性結合組織病、強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病、大動脈炎症候群などの 血管炎症候群など)、痛風等の内科的疾患が原因である事が少なくありません。膠原病では厚生省の指定する特定疾患 (医療費負担が軽減される)となる病気が多く、患者さんの病気の状態が複雑ですので、全身状態をよく診た上での 総合的な判断に基づく診療が大事です。これらの病気は難病(特定疾患)とされている場合も多いのですが、早期に発見し 、適切な対応を行なえば病気が重症となる事が防げますし、普通の生活が行なえる事が期待できます。難治性の場合には種々のパルス療法や生物学的製剤等の難しい治療法も細心の注意を持って行います。
当科はわが国を代表するリウマチ膠原病診療施設の一つであり、日本リウマチ学会教育認定施設、痛風協力医療機関です。 また、他の各診療科も診療能力の優れた専門医が揃っておりますので、協力を得て、各人が最良の診療が受けられるように 努力しています。また、当科では厚生省自己免疫疾患研究班が発足して以来常に参加し、難病克服の努力を続けていますが、 特に全身性エリテマ-トーデスの治療の開発と関節リウマチの原因の研究について世界的に注目されています。
診療実績
1-1. 血液新患 新患外来症例数 カテゴリ別集計 2016年(疑い症例を含む)
カテゴリ | 例数 |
急性骨髄性白血病 | 16例 |
骨髄異形成症候群 | 40例 |
骨髄増殖性疾患(二次性多血症含む) | 30例 |
慢性骨髄性白血病 | 11例 |
急性リンパ性白血病 | 5例 |
悪性リンパ腫 | 139例 |
慢性リンパ性白血病 | 3例 |
多発性骨髄腫(関連疾患含む) | 19例 |
白血病リンパ腫その他 | 17例 |
再生不良性貧血 | 11例 |
特発性血小板減少性紫斑病 | 17例 |
血球減少(鉄欠乏性貧血,溶血性貧血,その他各種) | 42例 |
凝固異常 | 12例 |
その他 | 6例 |
1-2. 東北大学病院血液内科 同種造血幹細胞移植実施件数
2. 免疫疾患 患者数(新患,再来,入院含む:2016年)
疾患名 | 患者数 |
関節リウマチ | 871例 |
悪性関節リウマチ | 13例 |
全身性エリテマトーデス(SLE) | 693例 |
混合性結合組織病(MCTD) | 123例 |
多発性筋炎 | 100例 |
皮膚筋炎 | 140例 |
全身性強皮症 | 275例 |
シェーグレン症候群 | 598例 |
抗リン脂質抗体症候群 | 125例 |
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎) | 14例 |
高安動脈炎(大動脈炎症候群) | 136例 |
結節性多発動脈炎 | 54例 |
顕微鏡的多発血管炎 | 72例 |
肉芽腫性多発血管炎 (GPA、ウェジナー肉芽腫症) |
45例 |
好酸球性肉芽腫性多発血管炎 (EGPA、チャーグストラウス) |
41例 |
ベーチェット病 | 200例 |
Cogan症候群 | 3例 |
IgG4関連疾患 | 74例 |
成人発症スティル病 | 71例 |
肺高血圧症 | 58例 |
強直性脊椎炎 | 15例 |
乾癬性関節炎 | 14例 |
SAPHO症候群 | 10例 |
サルコイドーシス | 14例 |
若年性特発性関節炎 | 6例 |
Castleman病 | 6例 |
家族性地中海熱 | 11例 |
血栓性血小板減少性紫斑病 | 11例 |