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イベント

血液免疫病学セミナー2017

 毎年秋の当科の恒例行事である「血液免疫病学セミナー」ですが,はや12回を数え,伝統あるイベントなりました.今年も11月18日・19日,秋保温泉ホテルニュー水戸屋にて開催し,研修医11名,医学生11名を含む総勢62名の方々に参加して頂きました.今年は「Insight, hindsight, and foresight 〜症例に学び,先達に学び,そして未来を見据える〜」をキャッチフレーズに,当科で経験した症例について研修医・学生のみなさんに考えて頂ける機会を多く設ける形で,セミナーを組み立てました.

 アンサーパッドを用いたクイズを主体としたClinical pearlsセクションでは,まず血液グループに今年入局した大地先生から,「血液ビジュアルクイズ」と題して,日常診療で出会うことのある各種血液疾患について血液像や骨髄像などを見ながら答えて頂くクイズを出題しました.続いて,免疫グループ今年入局の井樋先生から,「免疫ビジュアルクイズ」と題して,各種自己免疫疾患で見られる皮膚所見やレントゲン写真などの画像データを見ながら診断などを考える問題を出題しました.結構難しい問題も含まれていましたが,皆さんの正答率の高さに驚かされました.

 続いて,ここ数年行っているCase conferenceのセクションでは,参加の学生・研修医の方々に4つのグループに分かれてもらい,グループディスカッションを行ってもらいました.今年は,より多くの症例,特に血液グループと免疫グループのinteractionがあった症例を取り入れることとして,合計4症例のconferenceを行いました.まず1例目は免疫グループの永井先生がプレゼンターをつとめ,「乾癬性関節炎の疑いで紹介され,抗MDA5陽性皮膚筋炎の診断に至った1例」について,おもにその診断に至るプロセスについてのconferenceを行いました.『筋症状のない皮膚筋炎』を見逃さないこと,急速進行となり予後不良な抗MDA5抗体の重要性について,よく伝わったかと思います.2例目は私(市川)がプレゼンターをつとめ,「血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)の1例」で,不明熱へのアプローチをテーマとしましたが,学生さんも研修医の先生も不明熱の扱いに慣れているのか,初めから筋道よく考察していました.不明熱の鑑別疾患としてIVLBCLがこれほど市民権を得ていることに驚きました.3例目は免疫グループの星先生と私がプレセンターとなり,「血管炎のような経過中に芽球増生を伴う骨髄異形成症候群(MDS-EB)が顕在化し,化学療法によってMDS-EBも症状も著明に改善した1例」について,stepwiseに考えて頂きました.MDSが自己免疫疾患様の症状・所見を来たすという,かなり複雑な症例でもあり,各グループでディスカッションをまとめるのが難しい様子でした.最後に4例目は免疫グループ藤井先生と血液グループ小林先生から,「メソトレキセート(MTX)にて加療された関節リウマチの経過中にMTX関連リンパ増殖症を発症した1例」についてプレゼンテーションされました.参加者の疲労度も考慮されてディスカッションを少々lightにして行われましたが,MTX関連リンパ増殖性疾患という疾患の特性について,よく理解されていた様子でした.いずれもタフな症例でしたが,活発な議論を通して我々が日頃行っている診断と治療の一端を体験してもらえたかと思います.

 夕方のMeet the expertのセクションでは,白井先生から自信の留学体験記を中心に,研究についての紹介をして頂きました.留学についてのリアルな話が盛りだくさんで,皆さん興味津々で聴いていました.最後に張替先生から,ゲノム医療が台頭してきつつある昨今において,我々が臨床および研究においてどのようなことを考えていくべきかといった視点から,大変示唆に富むお話を頂きました.

 その後の宴会では昨年に引き続き,石井悠翔先生の司会のもと,毎年恒例の人名ビンゴゲームが行われ,今年も豪華賞品の贈呈とともに大いに盛り上がりました.二次会では今年も山形市立病院済生館の木村先生から美味しい差し入れを頂きながら,例年にも増して多くの研修医,学生,看護師の皆さんが集まり,楽しく懇談ができました.

 おかげさまをもちまして,第12回血液免疫病学セミナーも充実した内容となり,大きなトラブルもなく無事終えることが出来ました.参加して頂いた皆様,そして準備,進行に携わって頂いた医局員・スタッフの皆様にこの場をお借りして深く感謝いたします.そして来年以降も充実したセミナーを企画していきたいと考えておりますので,皆様の御協力を頂ければ幸甚に存じます.

 
 
 
 
 
 

 

レポート(PDF)はこちらからご覧になれます。