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TOPリレーエッセイ > 第7回

リレーエッセイ

「純粋令」 大西 康

仙台でも今年の桜はゆっくりと満開になる感じで、例年より少し遅めの4月中旬が見頃でした。桜を見ながら飲むビールはやはり格別。子供の頃、ビールといえばキリンビールやサッポロ黒ラベルあたりが定番で、その後スーパードライ(1987年)や一番絞り(1990年)がでてきたように記憶しています。最近はビールも企画ものが増え、季刊誌のように一年に何回もラベルが変わるのでビールコーナーはとても華やかです。最近では「僕ビール、君ビール。続よりみち」という短編小説のように斬新なネーミングのビールの味に驚きました。一方で、ハイネケンやバドワイザーは変わらぬ定番という感じで、特に瓶で飲むと美味しく感じます。東北の白濁した銀河高原ビールも好きです。先日、ミュンヘンの空港で乗り継ぎの間に飲んだドイツの生ビール(名前は忘れました)はまさに本場の味。1516年4月にバイエルン侯ヴィルヘルム4世が「ビールに大麦、ホップ、水の3つの原料以外を使用してはならない」というビール純粋令を公布しました(その後、酵母が追加)。欧州連合(EU)となってからは非合法化されましたが、「伝統的特産品」としてドイツでは今も大切にされているようです。先の「続よりみち」には小麦麦芽が使用されているので、この純粋令は満たしません。新しいビールは斬新で美味しいですが、繰り返して飲んでも飽きがこないのは純粋令のようなビールなのかもしれません。ちなみに、ノンアルコールビールにもこの純粋令に準じたもの(ヴェリタスブロイ)があります。酔えない時にはオススメです。