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TOPリレーエッセイ > 第4回

リレーエッセイ

「学生との雑談」 藤井 博司

 以前はSGTの最終日に打ち上げと称して医局で学生と飲んでいた。学生さんとアカデミックな話や下世話なことまでいろいろ話をする機会があった。トイレと間違えて教授室に入っていく者、家からギターを持って来て弾き語りする者、オセロ盤を持ち歩き勝負を挑む者、スクラムを組む者など実習時間中にはとうてい見られない面を見ることが出来た。自己紹介の時は皆真面目で我々の頃とは洗練された印象があるが、数時間も飲んでいると我々が学生の頃と変わらず、優秀かもしれないがアホで面白いやつがまだまだいると安心できた。

 SGTの担当教官にあたってはいるものの最後の症例発表の準備に終始してしまい、最近は医学生の方々とゆっくり雑談をする機会がめっきり減ってしまった。ほぼ毎週、外来実習と称して学生さんが着く。大抵多くの患者をさばかなければならない時間であり雑談をする時間もあまり無い。患者の説明と質問を淡々としていく。たまに患者が切れたときに雑談をする。ただし実習時間内なのでできるだけアカデミックな話ができるように「基礎修練はどこ行ったの?何やってたの?」という話から入ることが多い。学生のacademic interestが分かれば、私自身の勉強のためにも実験手技のことや、その分野の最近のトピックなどの話を聞かせてもらうようにしている(話の内容はピンキリであるが)。ほとんどの学生さんは進んで話しをしてくれるし、私自身の話をすることもある。ここまでできれば今の私の学生教育の中では一番有意義な時間かもしれない。こういう雑談の時間が長くなれば自身の分野の面白さをもっと話できるのだろうと思う。全員に同じことが出来るわけでもないのでカリキュラムとするのは無理だと思うが、学生と互いのacademic interestについて雑談するというのも教育の一つのなりうるのではないかと思う。